博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

バイオ系企業研究者の世界~実験結果管理の実態

今日は企業研究職の日常紹介シリーズの一環で、実験結果の管理について紹介したる。

 

会社においては、「実験結果は個人に帰属するもんやない、会社のもんや」いう原則がある。アカデミアでも本来はそうなんだと思うけど(成果が研究者の所属先法人に帰属する)、企業ではその辺が徹底されている。

 

アカデミアとの温度差の大きな理由は、企業では研究成果が利益に直結するからやと思う。利益出さな事業継続できへんかんな。メーカー(研究開発型企業)では研究続けて、新し商品をどんどん生み出していかないとビジネスから取り残されるわけなんでな。

それに、アカデミアの場合は競争的外部資金獲得とかがあって、結局予算の出どころが研究者の所属先法人やなかったりするから、余計その辺の線引きが不明瞭になるんやろうな。

その点やけど、企業研究者は完全に会社から金出してもらっとる。せやから必然的に研究結果は会社のもんや。そういう理由から、会社は研究員個人個人の結果をしっかり管理したがる。

んで、管理の方法が面倒だよっちゅう紹介を今日はしちゃるで。企業研究職目指すのやめたくなるかもよ?いい?

知ってから選択する権利が大事だと思うで、この日常紹介シリーズは特に大事やと個人的には思うとる。

 

で、これは会社によると思うけど、報告単位として考えると少なくとも以下のパターンがあるで。

・日報

・週報

・月報

・四半期報

・半期報

・年報

 

こんなもんや。

ウチの会社でも、さらに研究グループによってもその辺の管理基準はある程度温度差がある。グループ長のさじ加減に任されとる部分があるってことや。でも最低限、週報と月報、そして半期に一度の報告が必要や。

知り合いの会社の話やけど、日報を毎日A4一枚くらいの紙にまとめなアカン会社もあるらしいで。そんなんなのに、より詳細な週単位の報告書も必要だったりするらしいんや。報告書書いてるだけで毎週終わってまうでな。

 

ワイは週報結構適当に書いとる。本当はやったこと全部書いた上で、結果の考察だったり次に何するかみたいな予定だったりも書け言われとるんや。論文とかにまとめるんはワクワクすっけど、なんかこんな週単位の報告にはワイは力入れる気になれずちゃんとできてないで。その辺に惜しみなく力を注ぎこむことのできる能力を、人は「会社員力」言うらしいで。

言われたことに真剣に取り組む能力や。

まあワイはそんなんが結構ニガテやったりして、実は今の職場でも適応することに結構苦労しとる。ニガテやけど最近は最低限文句を言われないレベルで記入しるコツは覚えてきた。出来ないモンはできへんし、人の適応能力には限界がある。無理して適応しようとすると、多大なストレスになったりする。ストレス抱えて仕事するんは嫌や。だから折り合いつけて何とかやっとる。理想の仕事なんてないんやなってぶつくさ文句言いながら仕事しとる。憧れの研究職になった言うて、成れの果ては結局こんなもんや。

そんな現実知っても研究員になりたい?

なりたいよね。自分は何言われてもなりたかった。研究職も大変だよって周りから言われ続けたけど、転職したったわけやし。

一度持った夢貫きたいよね。

周りから反対された上でも貫きたいと思えるような夢じゃなきゃ夢じゃないよ。だから、この記事読んで、こんな風に感じながらも仕事やってる研究員がいるって知って、それでもやっぱ自分は研究だなって思う人だけ自分の道を突き進んだらエエ。

 

実験結果の管理いう話に戻るけど、月報やったら使ったお金額とかも細目書かなきゃいかんで。面倒くさない?でもそれが企業なんだなって感じ。

半年に一回くらいには、このままこのプロジェクト進めるか止めるかっつー大事なプレゼンもせなならん。とにかく利益を求める場なんやで、企業いうんは。せやから金になりそうなことはやらせるけど、そうじゃないことはそうそうに止めさす。

企業ってそんなところやで。

 

今日はこの辺で!