博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

博士の転職 おすすめの転職エージェント1~ビズリーチ

 

前回の記事で、博士が転職したいなら、研究職でも非研究職でも転職エージェントを使えと話した。

◆前回の記事

https://micromegane.hatenablog.com/entry/2022/09/21/174245

 

一応言っておくけど、転職ってここでオレが言ってんのは民間企業のことだからね。

アカデミアで別の機関の別のポジション探すことは転職って呼ばなく無い?(経歴的には履歴書に一行加わるわけだから転職だけど)

 

まあ改めて言うけど、民間企業でバイオ系の博士がどうやって生きてくかを語るのがオレの目的だ。その点を理解して読み進めてくれ。

 

前回は転職への第一歩ということで、まず転職エージェントに登録すべしという話をしたね。でも実際登録するにしても、どこの会社にしたら良いの?って疑問に思うと思う。

そこで今回は、おすすめする転職エージェントについて書いていきたい。

 

以下で各社について述べていくけど、実際にどれも自分で使ってみた個人の感想であることを予めいっておく。

 

おすすめ(1)ビズリーチ

ぶっちゃけ、これだけで済む。そしてぶっちゃけ、悪いけど有料会員のメリットは感じない。

さあ、どういうことか。

まず、ビズリーチというエージェントについて説明すると、ビズリーチ自体は転職エージェント(前回記事で紹介したやつね)の機能を有していない。転職エージェントであれば、「登録する→専任のエージェントが担当としてつく→求人を紹介してくる」っていうサイクルが発生するわけだが、ビズリーチはそうではない。

ビズリーチに登録すると(登録すべき内容自体は転職エージェント会社と同じような感じ)、ビズリーチの会員企業から登録者に対して直接スカウトの連絡が来る。この会員企業というのが、転職エージェント会社(例えばDODAのような)の場合もあれば、一般の企業(本当に例えばだけど、トヨタとか)の場合もある。

転職エージェントからのスカウトの場合、そのエージェント会社に結局は登録する流れになる。そのエージェントが提案してきた案件が気になったら、とりあえず話だけでも聞いてみた方が良い。転職エージェントからの場合は実際には自分でWebから探して登録した会社に登録するのと実際にはあまり変わらないようにも見えるけど、転職エージェントの会社ってゴマンとあって、中にはその会社でしか扱っていないような非公開求人を持ってたりして、それが実際自分が探しているような案件かもしれないから一見のメリットはある。

一般の企業からの場合は、大企業なら人事担当者クラス、ベンチャー企業ならCEOクラスからスカウトが直接来ることになる。これは転職エージェント経由のスカウトと比べてかなり確度が高く、この直接企業からスカウトを得られるという機能がビズリーチの真骨頂であるとオレは確信している。

さらにビズリーチの優れている点は、スカウトに2通りあるということ。ひとつは、ただの「スカウト」。もう一つは、「プラチナスカウト」

通常の転職エージェントサイトには無くて、ビズリーチにはある点。それは、ビズリーチには有料会員の制度(月数千円だった気がする)があるということ。一見、有料会員の制度はお金さえ出せば良い案件をたくさん紹介してもらえそうに見えるけど、オレはそう思っていない。有料会員でできることは、「スカウト」を閲覧・返信できるだけだ。そう、「プラチナスカウト」は無料会員でも見れるし、返信できる。

「プラチナスカウト」は、ビズリーチに登録している企業がビズリーチに対してお金を払ってまで、その求職者に対してスカウトを出せる仕組みだ。しかも、月間に出せる数も決まっているらしい。つまり、企業側としてもコストを出してまでスカウトしたい求職者に対してのみ、スカウトを出しているのが「プラチナスカウト」だ。

一方で、「スカウト」はただのスカウトで、その求職者に限らず似たような人に適当に出している可能性が高いスカウトだ。ぶっちゃけ、無視して良いとオレは思っている(実際、一度も見たことない)。

繰り返しになるが、ビズリーチの無料会員でも「プラチナスカウト」は閲覧し、返信できるのだ。ビズリーチにおいては、「プラチナスカウト」求人にのみ反応すれば十分というのが自分の考えだ。

転職エージェント会社が「プラチナスカウト」してくる場合でも、しっかりとその求職者のレジュメを読み込んでコストを払ってスカウトしてきているわけで、それなりに自身の希望にマッチした求人を紹介してもらえることが多い(とはいえ、面接まで進めるかは不明)。

一般の企業が直接「プラチナスカウト」してきてくれた場合は、面接は確約だ。これは、興味ある企業からの来た場合、かなりテンションもあがる。

 

さて、無料会員でビズリーチに登録しよう!

With participating Bizreach, you could have huge oppotunities for new job!

 

今日はこの辺で!

With regards

博士の転職エージェント利用

さて、前回の記事で、研究職から非研究職へ転職したことを報告させてもらった。

 

◆前回記事:

https://micromegane.hatenablog.com/entry/2022/09/20/114730

 

転職先は、外資系企業。これからバイオ系博士の転職に役立つノウハウを色々紹介していきたいと思う。目的は、もちろんバイオ系博士の地位向上だよ。オレテと同じ境遇のみんなに、社会で活躍して欲しいもん。博士が社会に出て活躍して、どこかの会社で偉くなって、そして縁があったら会社で採用して欲しいとも思うし。

 

高学歴ワーキングプアなんて言われてもう20年くらい経つけど、状況は何か改善したかい?

してなくない?

 

国会議員に博士が何人いるの?水道橋博士とか?知らんけど、大していないよね。

同様に、文部科学省とかの国家機関に博士が何人いるの?知らんけど、大していねェだろ。

他力本願はダメだなって、最近思ってきた。

自分の道は自分で切り拓く。

博士の道は博士たちで切り拓く。

 

自分より優秀な博士は世の中にゴマンといることは承知している。

でも、優秀だけどキャリアを探していくことが苦手だったら?

誰も助けないと、高学歴ワーキングプア一直線でしょ。

 

そんな博士たちの助けになればと、書くことに決めた。

 

まあアカデミアで活躍できる道は他の誰かに解説してもらうとして、オレテとしてはニッチなところで民間企業で、しかも非研究職として生きていく術を解説していけたらと思う。

 

はい、それで転職ね。

 

昔、研究職の求人を探していた頃は、JREC-INしか知らんかった。

実際、前職の民間企業の研究職を見つけたのもJREC-INだったし。

でもこれから転職を考える人は、どうか転職エージェントを使って欲しい。

これは、研究職でも非研究職でも同じだよ。

 

一昔前はTVで転職エージェントのCMなんて見た記憶ないけど、今はビズリーチとかDODAとかよくやってるよね。転職ブームなのかな。

 

転職エージェントの仕組みについて、知らない人向けに簡単に彼らのビジネスの仕組みに沿って説明する。

(1)人材を採用したい企業が、転職エージェントの会社に人材を見つけて欲しいと依頼する。

(2)依頼を受けたエージェント会社は、自社サイトに登録されている求職者情報から依頼元企業のニーズと合致した人材を探す。

(3)その人材を依頼元企業に紹介する。→書類選考、面接へ進む

(4)最終選考まで終わり内定が出たら、その求職者の年収の何割かの相当額を成功報酬としてエージェント会社がもらう(内定までいかないと、途中にどれだけエージェント会社に経費が発生していてもお金はもらえない)

 

なんとなくわかった?

求職者としては、エージェント会社に一切お金を払う必要が無い。また、求職者が内定をとってもらわないとエージェント会社はお金を稼げない。ゆえに、エージェントは必死になって仕事を紹介してくれるというスンポーだね。

 

じゃあ実際にエージェントに登録してみない?けっこう入力作業があって大変だよ。

 

一般的な履歴書記載項目(学歴や資格)に加えて、職務経歴書的な情報が必要だよ。アカデミアで生きてきた博士は、CVを書いたことはあっても職務経歴書とか書いたことなくない?

職務経歴書については、転職では必須になるよ。しっかり書いた方が良い。

書き方はネットで調べれば分かるよ。博士なら、文章を書くのが苦にならないし上手だと思うので楽にいこう。

 

でもまあひとまず大丈夫!

というのも、エージェント登録の段階では、詳細は未記載でも登録できるはず。

ひとまず履歴書項目くらいの情報で、大抵のエージェント会社は登録させてくれるはず。で、登録したらすぐさま向こうで担当エージェントがアサインされて、電話とかかかってくるよ。

 

具体的な希望とか聞かれるよ。思っていることを素直に喋ればオッケー。転職に迷っててもオッケー。向こうはキャリアのプロで、転職の押し売り屋じゃあない。希望を聞いて、トータルで考えて求職者にとって最適と思われる提案をしてくれる(良いエージェントなら)。話していてどうも波長が合わないと思ったら、担当を変更してもらおう。

 

とりあえず、転職エージェントへの登録はキャリアチェンジへの偉大なる第一歩だと思う。臆さずに、まずは登録してみよう!

This is a small step for a man, but is a giant leap for doctors.

 

今日はこの辺で!

【外資系転職希望者必見!】外資系企業へ非研究職(マーケティング)に転職してみた話

思い切って研究職辞めてみることにしちゃった。もう本当に辞めたけど(退職済み)。

 

オレテ、前にも言ったかもしれないけど英語が結構得意なの。

TOEICは900点。TOEICなんて余り意味ないけど。

そんな英語力を活かして外資系企業に入ることになった。

ポジションは「マーケティング」だよ。なんか良くない?

 

研究職にだけ興味ある人は、前回までの記事で思うところを十分に書き切ったと思うから前回までの記事を見てね。

 

今回から、バイオ系博士が外資系企業で、しかも非研究職で生きていく術について解説してみたい。

 

オレテ、たまに思うぞ。一体、博士号取得者の何割が一生研究だけで食っていけるのかと。(正解は知らんぞ)

食っていけないなら、非研究職もキャリアプランの一考にいれるべきなのでは?

これはまあ、単純にリスクキリングというかリスクヘッジ的な考えね。

また、非研究職をキャリアプランに入れているなら、早めに行動した方がいいのでは?

転職市場では、未経験者に対する見方が厳しい。大抵の求人(それなりに良いやつね)は、どれも「~経験3年以上」(3年は例だけど)とか書いてある。信じられないなら例えば、バイオ系学生の大好きな製薬企業の転職求人を見てみたら?どれも大抵はそう書いてあるはず。40歳過ぎて研究しかしたことないオッサンとか、民間企業が採用する?民間企業って、Recurring Revenue(経常収益)を挙げていかないといけないのに役に立たなそうなオッサンはいらんしょ?未経験の門戸を叩くなら、若ければ若い方が良いことは論を待たないと思うぞ。

という観点から、博士にとって非研究職ポジションは一考に値すると思う。

ポスドクからでも、民間企業の非研究職ポジション(もちろん正規雇用だよ)を狙うことは十分可能。薄情を足かせにするのではなく、テコにできる企業を探して欲しい。少なくともオレテはそれをテコに出来てきた自信があるから、こうやってブログ書いとる。

 

ついでに、転職のノウハウなんかも伝えていけたら良いかなと。

転職の「成功」って、本人の満足感以外には特に定義も何もないと思うけど、あえて分かりやすく(for the sake of clarity)客観的に定量的に定義するなら、年収の増加率(額)が一つの指標として考えられると思う。

今回、内資系の医薬品メーカーから外資系企業にマーケティング(=未経験職種)として転職したことで、年収は200万円くらいUPできた。自分でもびっくりだけど、転職するだけでこんなに年収UPできるなんで思わんかったと。

おかげで月々の家計収支も大幅に改善されちゃったよ。余裕できすぎて、いきおいで株式投資もはじめちゃったし。

 

というわけで、年収200万円UPが「成功」かどうかさておき、実際にそれくらいの年収UPを実現できたコツとか、やり方とかをどんどん共有していきたいと思います。

 

もちろん、それに加えて、研究者が非研究職につくことのメリットやデメリット、さらに非研究職の仕事の種類や仕事内容について色々紹介していきたいな。

 

今、企業でも大学とかでも研究職をやっている人(その上で、ずっと研究職を続けていくことに多少なりとも迷いのある人)にとっては、研究職のキャリアを見直すきっかけになるかもしれないし、そういった際の参考になればうれしい。民間企業における転職って、今までずっとアカデミア研究職やってきたからするとどうやってやっていいかわからんと思うから、役立つと思う。

 

今、学生(バイオ系で修士や博士課程の)の人で、初めから研究職以外を指向している人にも参考になると思う。外資系だけだけど。

 

というわけで、次回から以下について色々紹介していきます。

・バイオ系博士の転職について(研究職→非研究職へ)

・非研究職のポジションとは

外資系とは

外資系企業でバイオ系博士がどう役立つか

 

 

今日はこのへんで!

 

 

 

企業に入ると好きな研究ができるか?

今日は会社に入ってやりたいことが本当に出来るのか、その辺を考察してみたい。

 

オレテは今の会社に転職してくるときの面接で、海外と直接やり取りできるような研究開発業務がしたいといった。

学生の時、英語をバリバリ使う環境にいたということもあって、英語を活かしたいという強い希望があった。

以前の記事でも書いたけどTOEICも結構高得点取っていたし、それを転職の時にも存分にアピールして海外と積極的に関わりたいですッ!ってアピールした。

結果採用された訳だけど、じゃあ今その願いが叶えられているのかどーかって話。

どうだと思う?

 

ちなみに前の職場の就職面接の時には、その時は研究者じゃなくてラボマネージャーポジションで応募したから、人種国籍問わず世界中の研究者とコミュニケーションを積極的にとって、誰からも必要とされる存在になりたいって言った気がする。

あの頃は若かったなぁ。

まだ頭髪も寂しくなかったし、加齢臭を漂わすアラフォーにもなってなかったしな。

時の流れは人から頭髪というかけがえのない尊厳を奪う残酷なものですね。

そうそう、頭髪といえばアデランスは東証一部上場の大手企業だよ。Spiber っていうクモ糸を産業利用しようとしているベンチャーと共同研究したりもして、もちろんその共同研究する以前からずっと分子生物学的な基礎研究に取り組んで薄毛に悩む人類に救いの手を差し伸べようと企業努力してきたようだよ。こういう社会貢献している企業はどんどん応援していきたいよね。

 

企業就職目指す人は、視野を本当に広くもって調べた方が良いよ。バイオ系の研究職は修士卒でも博士卒でも人気あって、かなり狭き門のようだから選択肢広く持った方が良い。

研究職はこだわりもってそのポジションに就いている人が多くて、こだわり強い分あんまりやめる人がいないっていうのも外部からの侵入を防ぐ壁になっていると思う。

割とホワイトなことが多いしね。自分の周りも見ててそんな感じがする。

辞めていく人は、仕事がつらくてとか、嫌でっていうよりも、もっといい研究環境目指して他企業へステップアップを目指している気がする。

 

で、まあ例えばアデランスにしても、企業名はCMで知っててもバイオ系の研究やってるってあんまり思わんくない?ただ人工毛髪をせっせとつめつめしてそうなイメージ持ってない?

そんな偏見は捨てて、ゼロベースで可能性を検討してみよう。そうすれば意外に未来は明るいカモよ。

でもなんでもかんでも調べてたら博士学生は研究できなくなっちゃうからダメよ。このブログで繰り返し言っているように、東証一部上場企業に絞って応募してみて欲しい。

 

で、本題の、やりたいことができているかってことだけど、

できていないというのが正直なところ。

そりゃあ、この現状に不満もあるけど、今会社から与えられている研究者っていうポジションには満足している。

海外の人とやり取りはできなくても、研究はできている。

じゃあやりたい研究ができているかって?

それは非常に難しい質問だな。

 

会社でやる研究は、自分のやりたい研究とイコールではない。当然ながら。

基礎研究だから、短期的に(例えば1年後とか)売上発現を求められているような業務内容ではないけど、中長期的(3~5年後)には目に見える成果はやっぱり必要で、会社でいうところの目に見える成果とはやっぱり売上への貢献だよね。製品化とか、サービス展開とか、あるいはライセンシングでもいいのかもしれないけど。

会社の方針はちょくちょく変わったりするよ。

じっくり基礎研究に取り組んでくれ、って4月に言われたかと思えば、10月には早期の製品化目指してくれって言われたり。そうやって言われると、3か年計画くらいでじっくり取り組んでいこうと思ってたテーマも計画修正しなきゃいけんくなるしね。

 

やりたいことあっても、自分の好きなように自分のペースでは取り組めないことは承知の上で入社した方がいいよー

 

今日はこの辺で!

 

 

企業研究者を目指す博士学生が在学中にやっておくべきこと~その2

前回記事で、有価証券報告書や決算報告を参考にして希望する企業と、そこの競合企業情報をまとめて分析すると良いっていう話をした。

 

◆前回記事:

https://micromegane.hatenablog.com/entry/2019/04/04/080013

 

第一志望の企業があって、そこの競合企業ってのは通常そのまま第2、第3の志望になったりしない?

 

就職希望人気ランキング上位の三菱商事を例にとっても、三井物産住友商事も丸紅も、当然候補として応募しない?きっと商社希望者なら、双日豊田通商も、あと専門商社ももっと色々志望すると思う。

幸か不幸か、日本には東証一部という最上位ブランドに玉石混交な感じで企業が乱立している。選択肢は思っている以上にいっぱいあるよ。

 

で、エクセルに売上高とかの基本的な財務諸表的なデータまとめたら、次はもっと細かく見てみない?

製品ごとの売上高とか、細かくデータを追加していったらどうだろうか。

各企業が置かれている状況がもっと明確にわかってくると思う。

そういう項目ごとの売上高は、有価証券報告書というよりは決算報告のプレゼン資料みたいなやつに書いてあったりするよ。

例えば食品メーカーで、清涼飲料水の売上高、お菓子の売上高、酒類の売上高とかって感じで。

そういう部門別の売上高をその業界のメインプレイヤー全部について収集して一つのグラフでまとめると、業界の市場規模が見えてくる。

市場規模自体の数値は、就活向け四季報とかにも書いてあるから、自分で収集したデータと整合性がとれてるか確認してみると良いよ。自分が集めたデータが正しいかどうかわかるし、そうやって得た知識は真に業界研究をして得たものだからデータ上の裏付けが違うよね。

そうしたデータを収集した上で、もう一度有価証券報告書を見てみよう。

向こう数年間で目指す目標が書いてあるはずだけど、その目標が現在の売上高と比べてどれだけ高い目標なのか、それとも意外に低そうなハードルなのかがデータを得た君ならもうわかるはずだ。市場規模ってのは、なんか新しい分野だったりしない限り急速に膨らむことなんて通常はなく、むしろ萎んでいってしまうことだって多いくらいだ。だから市場規模の増額ってのは一旦無視して、数年後に希望する企業が目指す売上高増は、競合の既存プレイヤーから奪取する必要があるものであるってわけだ。

じゃあ次はその競合企業がなぜその分野で勝てているのか調べてみよう。それはまたその企業の有価証券報告書でも見れば多分書いてる。

今は勝ててるけど、潜在的な弱み(付け入る隙みたいな)はないのかとか、考察してくれ。博士学生なら考察好きだし得意でしょ?

で、エントリシートにはそういった情報を加味したうえで、企業が目指すべき方向性と齟齬がないよう、自分なら企業が掲げる目標に対してどう貢献できるのかってことを提案する形で書くと良い。

企業の経営層は、部下からの提案を待っている。トップダウンも良いけど、やりたいっていうことやらす方がモチベーションも高いからね。で、提案する側にしても独善的提案をすることが求められているわけじゃなくて、企業の方向性に関して理解して、自分なりの貢献方法を示して提案することが肝心なわけだ。

だから、エントリーシートも、既にその会社の社員になったつもりになって、上司や経営層に対して事業提案でもするつもりで書いたらエエんや。

それだけ出来てたら、多分エントリーシートはほぼ100発100中だと思うよ。

 

要するに大事なのは、自分がしたいことと企業が求めることのマッチングだよね。

自分がしたいこと100パーセント叶えるには自分で会社作るしかない。起業ね。アントラプレナー精神だね。

 

そうではなくて、普通にサラリーマン目指す以上、いかに自分の目標を企業の方向性と擦り合わせたエントリーシートだったり志望動機を作りあげられるかってことに全てがかかっているといっても過言ではないレベルかと思うよ。

その擦り合わせが企業研究と自己分析なんじゃないのかなと思うのであった。

 

今日はこの辺でな!

企業研究者を目指す博士学生が在学中にやっておくべきこと

今日は直接企業研究者の話しをするんじゃなくて、企業研究者を目指そうと思っている博士課程の学生が、学生のうちにやっておくといいんじゃないかな~って思うことを雑感として述べてみたい。

 

オレテは学生のとき、研究にばかり没頭してた。でも、結果として会社入ろうと思って会社に入ったわけだけど、もっとビジネス知識とかを前もって勉強しておけばもっと効果的に就活できたり、入社してからももっと早期に活躍できたんじゃないかと思うところがいっぱいある。学生は企業研究とかいって色々調べてる気になっていると思うけど、社会人になってから会社を見る目をちゃん養っていくと、学生のときの企業研究がすごく表面的なものに思えてきて他ならない。

まあでも優秀で本当にビジネスのこときちんと考えている学生の人から至極当たり前のことも多いかもしれない。

自分のようなごく一般的な博士学生が今回記事の想定読者だ。企業のこと知らないポスドクとかも参考になるかもしれない。

 

まず一番やって欲しいこと。

企業の有価証券報告書を確認して欲しい。と同時に、決算報告の発表スライド資料もみてくれな。

どっち資料としては上場企業限定だよ。

もちろん厳密にはあらゆる株式会社は、株主が当然いるから報告書類は作るはずだけど、公開の義務がないっていう意味だよ。念のため。

当ブログで、オレテの基本線として上場企業への就職を推奨している。東証一部上場企業であれば、全体的にホワイト職場環境である場合は多いからね。

ホワイトっていうのは本当に大事で、逆に一度ブラックに入ると在職中の転職活動ができなかったりして抜け出すのが困難だって聞く。残業が多いから平日も自由な時間がなく、転職活動の書類作成も満足にできない。有給休暇とかの休みも自由にとれないから、面接に行ったりもできない。そういう理由だよね。

 

とにかく多少給料安くても、まともな時間に帰れるホワイト職場を選んで欲しい。そのときの安心感の指標として、「一部上場企業であること」っていうのはバイオ系研究開発企業に限っていえば未だに信頼できるものであるとオレテは思っている。

他業界は知らないよ。上場企業でもブラックかもね。

 

で、有価証券報告書は決算報告の詳細版と思えばまあ良いんだけど、どっちも売上高とか営業利益だとかの基本的会計指標に加えて、今後のその会社として目指すべき方向性とか、重点課題とか、競合他社にはない強みとか、逆に弱みとか、業界を取り巻く状況とか、そんなことも色々合切まとめてくれているとてもありがたい情報ソースだ。

 

んで、これ本来は誰向けの情報なのかって言うと、株式の投資家向けなんだよね。

 

投資家に、自社は投資に値する会社ですよってアピールしてお金獲得しなきゃいけないから、すごくわかりやすく、かつ正確で、非常に作り込まれた資料になっている場合が多い。だから就活生が見ても参考になる。

企業としては自社アピールはするけど、嘘は書けないし誇大広告だってもちろん許されない。だから、「事業のリスク」とかっていう形で、その会社が抱える事業の課題もきちんと書かれている。投資をする上では、そういうリスクも踏まえた上でしてくれ、っていう判断材料を提供しているんだね。

 

それで大事なことは、そういう資料を、興味のある複数社に関して読みこんで、売上高とかそういう数値をひとつのエクセルとかでまとめたりする。

そうすると、業界内におけるそれぞれ会社の特徴、立ち位置とかが見えてくる。こういうのを企業研究っていうと思う。各企業の採用サイトは良いことしか書いてないから参考にならないよね。みんな読むから情報の深度という点から差別化にならんし。

かといって博士学生が就職説明会に足繁く通うのもなんか違う気がする。研究せいや、って思っちゃう。

 

じゃあ何で勝負するかって、データの分析力じゃないかな?

オレテは学生のときほとんどそんなことせず、知り合いから勧められた企業に入った。でも転職先探す時は、今言った分析をきちっとやった。

会社入ってからも、業界情報にすぐついていけたよ。業界研究してたからね。

おススメだよー。

バイオ系企業研究者の給料

今日はみんなが気になる給料について話そう。

現在博士や修士の学生で、企業研究者への就職を目指す人はもちろん、アカデミアで任期付ポジションについててゆくゆくは企業へ転職(脱アカデミア)したいと思ってる人も気になるでしょ?

オレテも気になっとったよ。前職研究者やないしね。民間企業ではあったけど。

 

じゃあまず相場感から。

 

多分、バイオ系で研究者目指して一番高待遇得るチャンスいうたら、製薬のトップクラスの企業に入ることや。

武田薬品とか第一三共とかアステラスとか大塚製薬とか、誰もが聞いたことある会社やったらどこでも40歳くらいで年収1000万円くらいいくっぽいよ。

うらやましいな~

 

オレテも大手企業には所属しているけど、いわゆる平均年収(有価証券報告書記載の)は700~800万円代くらいだよ。40代でね。

正確に書いたらバレると嫌だから幅持たせとくけどね。

 

で、前職がね、30歳のとき500万いかんくらいだった。

前職は福利厚生は良かったけどね。社宅補助とか。

で、今は30歳代後半。収入はまあまあ増えて、600万円ちょっとくらいかな。

前職は昇給しょぼかったけど、大手はその点ちゃんと上がっていく気がする。

 

採用時は前職とほぼ横ばいだった。

でも今じゃどんどんあがって、そんなレベル。

さっき言ったような武田みたくすごく良いわけではないけど、世間一般からすると恵まれてると思う。

どう?大手企業入るとそんな感じだよ。

 

じゃあ昇給ってのはどうやってあがっていくか見てみる?

企業では年に一度、人事評価みたいなのがある。古い体質の会社だったりすると、単に毎年一律で、例えばだけど月給ベースで3000円ずつ上がっていく、っていう感じだったりする。

これだと給料の上がりはかなり穏やかになっちゃう。

例えば月給25万円で、ボーナス2ヶ月っていう会社にいたとする。

その場合、現在の年収は25×14で350万円だ。

それが昇給後だと、25.3×14で354万円くらい。

でも昇給方式には固定額じゃなくって月給の何パーセントか上がるっていう場合がある。例えば、月給の1パーセント分毎年上がるってのだと、毎年母数が増えていく分上がり方は年々良くなっていく。1パーセントじゃちょっと少なすぎなきもするけど、それは会社によって異なると思う。

で、人事評価では、年度初めとかに目標立てておいて、その目標に対してどれだけ進捗できたかみたいなのを一年後に評価する。

で、その評価が良ければ昇給率も良かったり、という感じ。

だから昇給率ってのが、仕事を頑張る上での一つのインセンティブになったりするわけだ。

目標の具体例としては、特許を3件出す、ある技術を製品化にこぎつける、とかかな。

新しい実験系を立ち上げるとかでも良いかも。

まあ何かそういう具体的な何かを成し遂げます系の何かを設定する。

で、一年後に上司とその目標を振り返って、どれだけ達成できたか考える。

一年間で色々事情は変わる。年度初めではイケイケだったプロジェクトも、途中で失速して投資許可が降りなくなったりするかもしれない。それが本人の責任である場合(研究頑張らないとかね)もあるけど、会社って多くの場合は経営判断的なもので物事が決まっていくから、本人だけじゃどうしようもない場合もある。

年度途中で誰も予期していなかった異動があるかもしれない。

そういった場合は当然最初の目標は全然叶えることはできていないと思う。そんなときもダメだった、あー残念じゃなくて、もっともらしい言い訳を用意する。

それが一番大切かもしれない。

言い訳というか、どういう事情でそれを達成できなかったのか冷静に、客観的に分析して誰もが納得できる理由を提示できていたら、評価上マイナスにはならんと思うよ。

まあ多くの場合基本は加点主義で、よほど何かルールとかを逸脱するようなことしない限り減点はされんと思うがよ。

 

今日はこのへんで!