博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

企業研究者を目指す博士学生が在学中にやっておくべきこと

今日は直接企業研究者の話しをするんじゃなくて、企業研究者を目指そうと思っている博士課程の学生が、学生のうちにやっておくといいんじゃないかな~って思うことを雑感として述べてみたい。

 

オレテは学生のとき、研究にばかり没頭してた。でも、結果として会社入ろうと思って会社に入ったわけだけど、もっとビジネス知識とかを前もって勉強しておけばもっと効果的に就活できたり、入社してからももっと早期に活躍できたんじゃないかと思うところがいっぱいある。学生は企業研究とかいって色々調べてる気になっていると思うけど、社会人になってから会社を見る目をちゃん養っていくと、学生のときの企業研究がすごく表面的なものに思えてきて他ならない。

まあでも優秀で本当にビジネスのこときちんと考えている学生の人から至極当たり前のことも多いかもしれない。

自分のようなごく一般的な博士学生が今回記事の想定読者だ。企業のこと知らないポスドクとかも参考になるかもしれない。

 

まず一番やって欲しいこと。

企業の有価証券報告書を確認して欲しい。と同時に、決算報告の発表スライド資料もみてくれな。

どっち資料としては上場企業限定だよ。

もちろん厳密にはあらゆる株式会社は、株主が当然いるから報告書類は作るはずだけど、公開の義務がないっていう意味だよ。念のため。

当ブログで、オレテの基本線として上場企業への就職を推奨している。東証一部上場企業であれば、全体的にホワイト職場環境である場合は多いからね。

ホワイトっていうのは本当に大事で、逆に一度ブラックに入ると在職中の転職活動ができなかったりして抜け出すのが困難だって聞く。残業が多いから平日も自由な時間がなく、転職活動の書類作成も満足にできない。有給休暇とかの休みも自由にとれないから、面接に行ったりもできない。そういう理由だよね。

 

とにかく多少給料安くても、まともな時間に帰れるホワイト職場を選んで欲しい。そのときの安心感の指標として、「一部上場企業であること」っていうのはバイオ系研究開発企業に限っていえば未だに信頼できるものであるとオレテは思っている。

他業界は知らないよ。上場企業でもブラックかもね。

 

で、有価証券報告書は決算報告の詳細版と思えばまあ良いんだけど、どっちも売上高とか営業利益だとかの基本的会計指標に加えて、今後のその会社として目指すべき方向性とか、重点課題とか、競合他社にはない強みとか、逆に弱みとか、業界を取り巻く状況とか、そんなことも色々合切まとめてくれているとてもありがたい情報ソースだ。

 

んで、これ本来は誰向けの情報なのかって言うと、株式の投資家向けなんだよね。

 

投資家に、自社は投資に値する会社ですよってアピールしてお金獲得しなきゃいけないから、すごくわかりやすく、かつ正確で、非常に作り込まれた資料になっている場合が多い。だから就活生が見ても参考になる。

企業としては自社アピールはするけど、嘘は書けないし誇大広告だってもちろん許されない。だから、「事業のリスク」とかっていう形で、その会社が抱える事業の課題もきちんと書かれている。投資をする上では、そういうリスクも踏まえた上でしてくれ、っていう判断材料を提供しているんだね。

 

それで大事なことは、そういう資料を、興味のある複数社に関して読みこんで、売上高とかそういう数値をひとつのエクセルとかでまとめたりする。

そうすると、業界内におけるそれぞれ会社の特徴、立ち位置とかが見えてくる。こういうのを企業研究っていうと思う。各企業の採用サイトは良いことしか書いてないから参考にならないよね。みんな読むから情報の深度という点から差別化にならんし。

かといって博士学生が就職説明会に足繁く通うのもなんか違う気がする。研究せいや、って思っちゃう。

 

じゃあ何で勝負するかって、データの分析力じゃないかな?

オレテは学生のときほとんどそんなことせず、知り合いから勧められた企業に入った。でも転職先探す時は、今言った分析をきちっとやった。

会社入ってからも、業界情報にすぐついていけたよ。業界研究してたからね。

おススメだよー。