博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

企業研究者を目指す博士学生が在学中にやっておくべきこと~その2

前回記事で、有価証券報告書や決算報告を参考にして希望する企業と、そこの競合企業情報をまとめて分析すると良いっていう話をした。

 

◆前回記事:

https://micromegane.hatenablog.com/entry/2019/04/04/080013

 

第一志望の企業があって、そこの競合企業ってのは通常そのまま第2、第3の志望になったりしない?

 

就職希望人気ランキング上位の三菱商事を例にとっても、三井物産住友商事も丸紅も、当然候補として応募しない?きっと商社希望者なら、双日豊田通商も、あと専門商社ももっと色々志望すると思う。

幸か不幸か、日本には東証一部という最上位ブランドに玉石混交な感じで企業が乱立している。選択肢は思っている以上にいっぱいあるよ。

 

で、エクセルに売上高とかの基本的な財務諸表的なデータまとめたら、次はもっと細かく見てみない?

製品ごとの売上高とか、細かくデータを追加していったらどうだろうか。

各企業が置かれている状況がもっと明確にわかってくると思う。

そういう項目ごとの売上高は、有価証券報告書というよりは決算報告のプレゼン資料みたいなやつに書いてあったりするよ。

例えば食品メーカーで、清涼飲料水の売上高、お菓子の売上高、酒類の売上高とかって感じで。

そういう部門別の売上高をその業界のメインプレイヤー全部について収集して一つのグラフでまとめると、業界の市場規模が見えてくる。

市場規模自体の数値は、就活向け四季報とかにも書いてあるから、自分で収集したデータと整合性がとれてるか確認してみると良いよ。自分が集めたデータが正しいかどうかわかるし、そうやって得た知識は真に業界研究をして得たものだからデータ上の裏付けが違うよね。

そうしたデータを収集した上で、もう一度有価証券報告書を見てみよう。

向こう数年間で目指す目標が書いてあるはずだけど、その目標が現在の売上高と比べてどれだけ高い目標なのか、それとも意外に低そうなハードルなのかがデータを得た君ならもうわかるはずだ。市場規模ってのは、なんか新しい分野だったりしない限り急速に膨らむことなんて通常はなく、むしろ萎んでいってしまうことだって多いくらいだ。だから市場規模の増額ってのは一旦無視して、数年後に希望する企業が目指す売上高増は、競合の既存プレイヤーから奪取する必要があるものであるってわけだ。

じゃあ次はその競合企業がなぜその分野で勝てているのか調べてみよう。それはまたその企業の有価証券報告書でも見れば多分書いてる。

今は勝ててるけど、潜在的な弱み(付け入る隙みたいな)はないのかとか、考察してくれ。博士学生なら考察好きだし得意でしょ?

で、エントリシートにはそういった情報を加味したうえで、企業が目指すべき方向性と齟齬がないよう、自分なら企業が掲げる目標に対してどう貢献できるのかってことを提案する形で書くと良い。

企業の経営層は、部下からの提案を待っている。トップダウンも良いけど、やりたいっていうことやらす方がモチベーションも高いからね。で、提案する側にしても独善的提案をすることが求められているわけじゃなくて、企業の方向性に関して理解して、自分なりの貢献方法を示して提案することが肝心なわけだ。

だから、エントリーシートも、既にその会社の社員になったつもりになって、上司や経営層に対して事業提案でもするつもりで書いたらエエんや。

それだけ出来てたら、多分エントリーシートはほぼ100発100中だと思うよ。

 

要するに大事なのは、自分がしたいことと企業が求めることのマッチングだよね。

自分がしたいこと100パーセント叶えるには自分で会社作るしかない。起業ね。アントラプレナー精神だね。

 

そうではなくて、普通にサラリーマン目指す以上、いかに自分の目標を企業の方向性と擦り合わせたエントリーシートだったり志望動機を作りあげられるかってことに全てがかかっているといっても過言ではないレベルかと思うよ。

その擦り合わせが企業研究と自己分析なんじゃないのかなと思うのであった。

 

今日はこの辺でな!