博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

バイオ系企業研究者の日常~物を買うときは?大変?簡単?

今日も企業研究員の日常シリーズをお届けするで。参考なっとる?なってない?

どっちでもええけど、今日は物を買うときの手続きについて紹介しようかな思うとる。

 

企業とアカデミアでは、物を買うときのプロセスがかなり違うと感じている。

ただアカデミアでの厳密なルールはワシは把握しとらん。なぜならアカデミアで勤めたことはないからや。博士課程の学生として見てきた実感や、教官から聞いてた程度の知識しかあらへん。そこんとこは踏まえた上で読んでくれ。

 

アカデミアでは、教員が直接業者に見積できるんとちゃう?教員だけやなく、学生でも取れるいうてた別の大学の知り合いもおる。まあ、見積ってそれ自体は大したことないかんね。単に、実際に提供可能なお値段を教えてもらうだけやさかい。

わいの場合は、型番とか発注に必要な情報を指導教員に教えて、指導教員が見積と発注対応してくれとった。

問題は教員が、とか学生が、とかってことじゃ実はなくて、買いたいって思った人と見積-発注する人が同じやってことや。こういう構造が不正の温床になっとる(なりやすい)。

買いたい人が直接業者とやりとり出来る構造だと、価格操作がいくらでも、バレずにできちゃうんだよね。お金の出所は外部資金か運営費交付金だとして、お金を不正に得たいと考えてるんが教員やとする。業者にしてみると、その教員いうんはお得意さんやから言うこと断れんし、バレない限り実害ないしむしろ利益も得られたりする。

仕組みはこうや。

 

1)先生が見積依頼

2)業者が見積書出す

3)その見積で先生発注

4)業者納品

 

実際には頼んでいない品を納品させたことにして、お金だけ支払う

支払われたお金を先生に返す

これで外部資金や運営費交付金が先生の懐に収められることになる。どや?

実際にはもっと色々パターンがあると思うけど、かいつまむとこういう仕組みで不正を行うことが制度上可能で、構造的理由によそれを防ぐ手立てが難しいらしい。

 

で、そうした不正の防止を目的として企業でよく導入されている制度は、購買の三権分立や。

・発注依頼者

・発注申請者

検収担当者

がそれぞれ2つ以上の独立した部署で行われるべきいう考えや。

これが全てひとりないし1部署でできることで不正が生じやすいいうことや。

 

発注依頼者いうんは、例えば「あのメーカーの制限酵素欲しい」いうやつや。

発注申請者は、そいつの要望受けて代理店に見積依頼して、そんで返ってきた見積価格で発注依頼者が買ういうたら発注申請(売買契約)までするんや。

検収いうんは確認や。見積-発注したもんが間違いなく届いたか確認する作業ね。これは発注依頼者でも発注申請者でも多分どっちでもいいはず。金額に関する不正はこの段階ではもうないからね。

で、そもそも発注依頼者は業者と直接やり取りしたらアカンねん。お金の話をこっそりすることもできひんわけやないしな。

 

そういった機能の分化で不正が起こるんを防ぐわけや。どこの会社でも採用されている制度なのかは知らん。でも前の会社ではこういうんはなかったで。誰でも見積とれて誰でも発注できたで。発注のときは上司の印鑑は必要やけど。

今の会社は上場企業やき、不正防止に腐心しているとも思う。というか上場企業ならどこも何らかの対策講じて不正防止してるはず。不正発覚したら企業へのダメージでかいかんね。投資家から見放されたら何もできんくなるんが上場企業や。

あ、もちろん株式会社っていう以上非上場でも投資家はおんねんで。

でも社長や親族や、設立に関わった企業とかで身内的なもんだったりすることも多いらしいで。

 

そんな感じで今日はあんまり楽しい話じゃなかったかもだけど、要するに企業で物(機器でも、少額な消耗品であっても)買おおもたら若干大変なプロセスいうんがあるわけや。

 

今日はこの辺でナ!