博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

企業研究者の成果発信方法~特許か論文か(1)

さて今日は何について話そうか。

今日考えているのは、研究成果発信の方法だで。

 

どういう形の成果発信が企業研究者として求められるのか、その辺をオレテの実感を踏まえて議論してみたい。

あ、ちなみにオレテというのは俺ってっていうのが口癖だから略して一人称をオレテにしてみた次第だわ。以後よろしゅう。

まじ関西弁憧れる。オレテいいます、よろしゅう!とかって自己紹介で堂々と言ってみたい。関西弁ネイティブじゃないから絶対言えんけど。方言って個性だよね。個性は大切にしていきたい。

前の職場の同僚で、「仕事のときは関西弁封印してるんですよ~」って言ってた人いたけど、個人的にはどんどん関西弁使って欲しかった。だって別に方言が悪いわけじゃなくない?ビジネス現場では標準語喋るべしみたいな経団連の指針でもあるわけ?ないなら各自方言使って欲しい。

オレテも方言使いたいし、ちょくちょく気付かれんよう挟んでたりするよ。まじだよ。で、気付かれたら嬉しかったりする。通じるか通じないかギリギリな線選んで方言の言葉チョイスしてるかんね。絶対通じなさそうなのは初めから使わないようにしてる。

つー意味では、自分も方言封印しちゃってるかも。通じないのは嫌だしね。説明追加ですんのも面倒だし。何の話だっけ?ああ成果ね。

 

成果発表は、まず特許だよね。会社だし。

アカデミアにいると特許のこと全く知らん場合もあるから簡単に説明しとくで。

特許って方法の特許とか物の特許とか、ビジネスモデルの特許とか、いくつか類型があるんだけど、要するにある技術や概念に関して特許という名の権利が認められると、その行為を独占して実施することができるようになるってのが特許だよ。

独占して実施できると何が良いかって、例えばPCR酵素として使える耐熱性ポリメラーゼが初めて発見された時に、「耐熱性ポリメラーゼの製造方法および該耐熱性ポリメラーゼに関する特許」ってのが成立すると、発明者の許諾なしには、発明者以外誰もそれを作ったり使用したりすることができなくなるわけや。

で、「ライセンス許諾」ってのがあって、例えば発明者に年間10億円払えば製造許可出しちゃるよって契約を発明者は耐熱性ポリメラーゼを作りたい人にふっかけることができる。そうやって得る収入をライセンスフィーと言う。

要するに、特許によって不労所得が得られるわけだね。まあそんな契約そもそもしなくても、その製品がめちゃくちゃ需要あるなら、自分とこだけでガンガン製造して売るってのが王道パターンではあるけど。(製造設備もある企業なら。アカデミアなら必然的にライセンス化なのかな)

 

で、特許には期限があって、通常20年で切れる。以降、独占実施権はなくなる。

でで、特許ってのは発明の詳細を全て公開することになるから、特許の期限切れ以降は他社に真似されし放題となる。

それが特許のメリットでもありデメリットでもある。だから特許っていうのは何でもかんでも申請すればいいわけじゃなく、ある程度出願すべきべきもの、そうじゃないものを分別検討する必要がある。

その時の指標の一つとして、誰がかいつか閃きそうかどうかっていうのがある。誰かいつかやりそうだよね、ってやつは押さえとく必要がある。

あるいは出願だけして権利化しないっていう手もあって、出願書類だけ出して審査請求しないと自動的にそういう形になる。そうすると、少なくと他社に独占実施されることはなくなる。

で、発明者としてはその分野で利益得るつもりはないけど、利益得ようと思ってる分野で基本技術として被ってくるから特許化されると困る時みたいな場合にこういう手使う。

でで、公開された技術ってのはもう誰も特許とれないんだけど、その公開方法は特許出願に限定されない。論文でも良い。国内雑誌とかにも全く限らない。

いやらしい手段として、日本語ではもちろんなく、さらに英語でもないような国の、さらにさらにマイナーな雑誌とかに公開する方法ってのがある。公開っていうことの基準が、アクセスが誰にでも、望めば可能であることっていうくらいの基準だからだ。他国のマイナー雑誌だって、金払えば買えるよね?

その点、社内報みたいなのは公開じゃないよね。社員じゃなきゃ見れんから。で、こっそりでも公開しとくと誰も特許は取れなくなる。

(長くなったので続く)