博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

修士課程教育に思うこと ~修士の学生が本当に一番知りたいそこんとこ

前回までで、鬱になった修士課程学生の私が鬱を克服して博士課程への進学を決断するに至った経緯を紹介してきました。

 

◆前回の記事はコチラから↓https://micromegane.hatenablog.com/entry/2019/03/01/131048

 

今日は、博士課程での生活はどんなものなのか、述べていきたいと思います。

これから博士課程へ進学しようかな~とか、進学には興味ないけどあの博士課程の先輩いつも辛そうにしてるけどどんな暮らしぶりなんだろうとか、うちの子供博士課程とかっていうところに進学した一体何しているのかしらとか、そんな素朴な疑問を抱える悩める学生たちとその親御さんたちの参考になれば幸いです!

 

博士課程のときの毎日って、やっぱ基本は実験・研究すよ。

 

修士のときって、授業が割と多かったりして、あとその授業のレポートも多かったり、多くの人は就活するので就活準備だったりで、研究に真面目に打ち込める時間なんてないんすよ。内定もらっても、そのあと働き出す前にも研修の課題(英会話学校へお金出すから通え、とか教材費はらっちゃるから簿記3級とったれ、とか)とか出してくる企業もあったりして、修士で出ちゃう学生は本当に研究なんてする時間ないです。

そういった学生の人たちの場合、むしろ学部生の卒業論文で研究して出した成果でちょっとだけ肉付けして修論出す人いるし。本当にそれで修士教育いいんかいって思ってたけど。

 

でも、学生の側からすると、やっぱ「就職できてなんぼ」なんすよね。

 

博士には進学しない、

ってことを前提とすると、修士号取って大学院出るわけですわ。

仮に、修士2年間で立派な研究成果を成し遂げ、一流の国際ジャーナルに筆頭著者で論文出せたとしますわ。でも、その人、研究に傾倒しすぎて就活全くしてまへんでした。

じゃあどうなる?ってことだけど、大学院出ても行くとこないことになるやん。

本当にそれでええの?って話。

 

「研究ほとんどしないで就活ばっかして修士出る」

「研究ばかりしてて就活しないまま修士出る」

 

どっちも極端な例だけど、たぶん学生からすると幸せなんは、前者やで。

親御さんもよろこぶしな。初任給で何買ってくれんのかな~とか、考えちゃうかも。

 

だから、修士で出る学生のみんなは、先生や博士の先輩から就活ばかりしているとかってイヤミ言われるかもしれないけど、気にせんでええんやで。

自分の人生、自分しか責任取れんでな。論文書いて喜ぶんは、先生や。イイ論文あると研究費とりにけるからな。

 

イヤミばっか言われたら、こういいかえしたれ。

「就活ばかりで研究していないですって?一体いつから僕(私)が鏡花水月を使っていないと錯覚しているんですか?」

ってな。

 

あと、そのイヤミいうてくる先生って大学の学費出してくれてます?

―「いえ、お父さんお母さんでありますッ!」

じゃあ、そのイヤミいうてくる先輩は自分に何してくれとんの?

―「毎週の進捗報告会でエラそうに足組んで僕の研究にケチつけてくるだけですッ!」

せやな。じゃあそんな奴らのいうこと聞く必要あるんか?

―「ないですッ!すみませんですッ!」

 

修士課程教育の問題は構造的問題であって、決して学生個人の問題ではありません。

研究が十分にできないのは、就職活動の状況含め教育環境全般の問題です。

 

修士の学生のみんなは、十分に研究ができていない自分を責めたらアカンで。

でも時間あるのにやらないのはダメやぞ。それは知ったら親御さん悲しむだけやさかい。

知ったら親が悲しむことだけは絶対すんなよ。

 

けれど表だって先生や先輩に反抗してもあんまりよくねェ。

研究室に行きにくくなるだけだ。

うまくお前の腹に括った一本の鏡花水月使ってけ。

始解見せれば誰もお前にゃ適いわしねェ。

 

学生諸君ッ!

 

今日はこの辺で。