博士の日記

医薬系民間企業の研究員を経て、外資系企業でマーケティング職をやっているバイオ系博士が日々を語ります。

【企業研究者の日常】フレックスタイム制のススメ

前回は毎日の業務で英語使うのかって話をしたさかい。今日は日常的な仕事の話を聞かせたる。まず導入編として、勤務時間の規則について話したる。どうせアカデミアの研究室畜は知らんやろ。しっかり読んどきーや。自分の身は自分で守らなアカンで。

前提知識として、使用者(会社経営側のこと)は労働者から搾取することしか考えてないと思った方がいい。んで、社会的弱者である労働者を守る法律やルールが存在してるんや。

 

◆前回記事:バイオ系の民間企業(内資)研究職の業務での英語使用量の実際

https://micromegane.hatenablog.com/entry/2019/03/14/081144

 

まずは改めて、ワシの職場環境のおさらいでもしようか。

●バイオ系、医薬品製造

東証一部上場

●事業規模は年間売上高数千億円レベル

●人員はグループ含めると10,000人以上おる

●ワイはそん中の基礎研究部門所属

●ワイは役職なし(「研究員」という肩書きはある)

 

こんな感じや。

勤務はアカデミアでよくある「裁量労働制」やなくて、「フレックスタイム」じゃき。

裁量労働はどんだけ働いても残業代(超過勤務手当)は出えへんけど、フレックスはちゃんと出るで。残業するなするなってよく言われとうけんど、ウチの場合は基礎研究部門は大丈夫や。やっぱ研究やき残業勝手にしても咎められんわいな。

修士で卒業して大企業(TOPIXコア銘柄に入ってるクラスの)の研究開発に入ったワシのダチ公がいんねんけど、残業代でえろう稼いどるいうとった。ワシ前職が裁量労働やったき、残業代で稼ぐいうとる意味わからんかったんがじゃが、今の職場に来てからよくその意味わかったで。残業は稼ぐためにするもんや。

世間には残業せえへんと暮らしてきつういうとるんもおるようやけど、ウチはいうても医薬品メーカーやき、残業せんでも暮らせんねんけど、残業代つくともっと贅沢できるで。

アカデミアじゃ絶対ない感覚と思うでな。

フレックスいうても管理職いうんになると残業代つかなくなるけん、管理職手当の低い職場だろ逆転現象も起きるらしいで。注意しとき。

 

まあ残業や。労働基準法の36協定いうんで年間と月間の残業時間は規制されとるけど、普通にホワイトに暮らしてる分には大丈夫やき。

特にこれから就職しようとしてる学生には特に注意して欲しいと言いたいのは、基本新卒入るレベルのポジションで裁量労働制いうんはやめとき。裁量労働制って普通は専門業務型裁量労働制いうて、職種の類型が研究開発とか、法律家、建築家とかってある一定の職種に定められとる。

でも注意したいのは研究開発職であっても、自己の高度な裁量をもって業務に望んでいるんでない限り専門業務型裁量労働制には本来ならないんよ。

そこんとこ認識せずに残業代対策のために研究開発を全て裁量労働制にしている中小企業が結構いっぱいある印象を受けている。

新人で、特に修士卒なら裁量労働制なんて有り得ないと思う。修士卒学生にいきなり「全て君に一任する」とかいう?いわへんで。まずは社畜や。

裁量労働で新人を働かすような、そういう企業には入らないで欲しい。酷使されて終わるよ。

 

でね、やっぱりその点で一部上場企業は、割と安心して良いレベル。

何か問題あって、社員とかから訴えらたりすると株価に影響がダイレクトに来る。投資家は厳しいから。株式市場って一口で言えば資金調達の仕組みだから、投資家に見放されてしまうと事業を継続していくための資金が調達できんくなって、最悪の場合潰れちゃうべな。せやで。

だから上場企業いうんは世間体が大事なんや。良い子ちゃんでなきゃいかんのや。だから結果的に、(企業によって程度は本当に様々だけど)まあまあ社員大切にしようという仕組みが備わっている。

だから、よほど知人から紹介されたりして信頼できる企業でもない限り中小企業には新卒では入らん方が良いとワシは思っちょる。信頼できる根拠がない(あるならヨシ)。

研究開発狙うなら、勤務時間の制度はフレックスタイム制を選ぶこと。

これが今日の結論や。

会社に酷使されんな。つか会社に使われんな。

むしろ使ったれ。自分のキャリアアップの土台にしろ。

それが一番言いたいことや。

 

今日の授業はここまで。